怖いピアノの先生はなぜいるのか?
- まりかピアノ教室
- 2020年11月13日
- 読了時間: 3分
ある日、
同僚の保育士の先生たちと
お話ししていたときのこと。
ある先生は、
「私がピアノの先生が怖かったから、
今でもピアノは嫌いなんです。
だから、娘にはピアノを好きになってほしくて、
楽しくて怒らない先生のところに通っているんですよ。」
また、
「私の娘のピアノの先生も
娘が弾けなかったときに
手をパチーンとたたいたりしていたから
すぐに通わせるのをやめたんよ。
それが今でもトラウマになっているみたい。」
という先生も。
この話を聞いて、
私が音楽教室の講師になりたての頃の
苦い経験を思い出しました。
私が子どもの頃の
30年ぐらい前って
ピアノ教室だけでなく、
まだまだ上から押さえつける教育が主流で、
『先生は絶対的な存在』という時代でした。
(体罰も普通にあったし)
ピアノ教室は、
先生の技術を弟子に伝えていく
『師匠と弟子』の構図が
今よりも色濃く出ていました。
『○○先生の生徒さん』ではなく
『○○先生のお弟子さん』と
言っていましたね。
私もそんな環境で育ってきたので、
音楽教室の講師になったときには
驚愕しました。
・練習してこない
・だから曲の完成度があがらない
・そもそも良い演奏のやり方を
今までの先生に教えてもらっていない
・教室に楽譜を忘れて帰って、なおかつ取りに来ない
え、なにこれ・・・
なんでならってるん・・・?
今までに自分が習ってきた技術、
効果的な練習方法なんかを
これからたくさん伝授しよう
と張り切っていたのに・・・
本当に困りました。
が、気を取り直して、
「上手になろうよ、弾けた方が絶対楽しいんだから!
今までの先生が教えてくれなかったんだったら
私が教えてあげましょう!フハハ」
と、燃えていました。
そこで、
生徒さんができていない部分に目を向け、
必死に直し始めました。
すると当然、
「ここもだめ、ここもできてない
ああなんでこんなにできないの!」
と、生徒さんに対し怒りが湧いてくるわけです。
結果、
生徒さんの演奏は少し上達しましたが
笑顔がどんどんなくなっていき、
やめてしまう人もいました。
こういう自分の苦い経験があるので、
最初の
保育士の先生たちの話の中の
怖かったというピアノの先生の気持ちも
わかるような気がします。
私も、
きっとその先生たちも
現実には存在しない『理想の生徒』に
焦点をあてていました。
目の前の生徒さんをみてあげれずに・・・
私も、そのときはわかりませんでした。
どのような子に対しても
「できない部分」に目をむけるのでなく、
「できるようになった部分」に目を向け
その子の成長を一緒に喜ぶことが
長い目で見たときにその人の財産になることに。
また、学校や親には話せない話でも
ピアノの先生となら話せたり、
かざらない自分を出せるなど、
先生との関係そのものが
ピアノ教室に通う理由になっていることも。
本当に当たり前ですが、
生徒さんやご家庭によって
いろいろな目的や考えがあるので、
ピアノ講師はその気持ちに対して
自分のもっているものを
真摯に提供するだけだなぁ
と、思います。
そう思えるようになったのも
昔の生徒さんや
今、保育士としてみているお子さんの姿など
いろいろな人のおかげです。
昔の生徒さんには本当に
申し訳ないことをしてしまいました。
これからも自分を振り返りながら
私自身も生徒さんも、
生徒さんのご家族も
みんなが楽しく思えるレッスンにしていきたいです!
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